多形成腺種 (Pleomorphic adenoma) |
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1:多形成腺腫とは
唾液腺腫瘍全体の60-65%を占める良性腫瘍です
形性腺腫は上皮成分と間質様組織成分が混在し(混合腫瘍)、多彩な像を示します。

2:原因
不明です。
3:疫学
唾液腺腫瘍で最も多く(60-65%)、30歳以上の女性に好発します。
耳下腺や口蓋に好発します。
口蓋では硬軟口蓋移行部に多く、口唇では上唇に多く発症します。
4:症状
境界明瞭で緩慢な無痛性発育をする腫瘍です。
そのため、仮名路大きくなってから受診する場合もあります。
弾性硬または硬い腫瘤を形成します。
手術で切除しても再発しやすく、ときに巨大化、悪性化します。
多形成腺腫の1割弱の症例に悪性化(多形腺腫内癌)を来すことが知られています。
5:診査・診断
(1)X腺検査
口蓋部に生じた場合→境界明瞭な圧迫吸収像をしめします。
耳下腺に生じた場合→下顎枝後縁の変化をしめします。
6:治療
被膜を残さずに腫瘍を完全に摘出します。
耳下腺に発症した場合は顔面神経を温存します。
症例
症例1
75歳男性。
疼痛などの自覚症状が無かったため、受診せずに放置。
そのため、ここまで大きくなってからの受診となりました。

参考画像
これは口蓋隆起(外骨症)というもので、腫瘍ではありません。

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