抗うつ薬(Anxiolytic Drug) |
1:抗不安薬について
(1)抗不安薬とは
@抗不安薬
不安およびそれに関連する心理的・身体的症状の治療に用いられる薬剤です。
主に不安障害の治療に用いられます。
Aマイナートランキライザーとメジャートランキライザー
マイナートランキライザーは抗不安薬とも言われ、主に神経症やうつ病、心身症などに利用されます。
比較的軽度の不安の緩和や、気分を落ち着かせることができます。
眠くなることが多いため、睡眠補助剤として使われる場合もあります。
メジャートランキライザーは抗精神病薬とも言われ、統合失調症やアルコール依存症などに用いられます。
強い抗精神作用を持つ薬で、マイナートランキライザーでは対応できない、極度の不安などを取り除くことができます。
急性の精神障害の治療や、その他にも幅広い精神疾患に使用されます。
(2)作用機序
@ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用機序
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用機序にはGABAと呼ばれる物質が関わっています。
GABAは中枢神経系を抑制する、代表的な脳内神経伝達物質です。
ベンゾジアゼピン系薬物にはGABAの脳内作用を増強する働きがあります。
つまり、ベンゾジアゼピン系薬物がGABAの働きを強めることで、脳内の活動がスローダウンし、それが心の不安、緊張
を和らげることになるのです。
GABA受容体のアゴニストないし、GABAの量を増加させる薬は、主として鎮静、抗痙攣、抗不安作用を有しています。
この種の薬はしばしば健忘を引き起こします。
AGABA(γ-アミノ酪酸、gamma-Aminobutyric acid )とは
脊椎動物の中枢神経系では、主に海馬、小脳、脊髄などに存在し、神経伝達物質として用いられています。
シナプス前膜から放出され、後膜の膜上にあるGABAに対するGABA受容体タンパク質と結合して作用を発揮します。
GABA受容体のアゴニストないし、GABAの量を増加させる薬は、主として鎮静、抗痙攣、抗不安作用を有しています。
この種の薬はしばしば健忘を引き起こします。
GABAは交感神経の亢進を抑え、血管の収縮に働くノルアドレナリンの分泌を抑えることにより血圧を低下させる
ことが考えられています。
GABAを産生する能力を持つ乳酸菌を利用して調製された発酵乳製品は、血圧が高めの方に適した特定保健用食品
として承認されています。

2:種類
(1)ベンゾジアゼピン
ベンゾジアゼピン系の不安に対する使用は、短期間に限定されます。
ベンゾジアゼピン系は、不安障害を治療するための他の処方薬が効きはじめる間までの期間を補う目的で用い
られることがあります。
通常、短期的な中枢神経の沈静が必要な時の一次選択であり、さまざまな症状に用いられます。
2週間を超える使用は、離脱症状とリバウンド症状の危険性があります。
長期間使用した場合、耐性や依存性が生じます。
@短時間型(半減期が3〜6時間程度)
クロチアゼパム---リーゼR
エチゾラム---デパスR
フルタゾラム---コレミナールR
A中間型(半減期が12〜20時間程度)
ロラゼパム---ワイパックスR
アルプラゾラム---コンスタンR、ソラナックスR
プロマゼパム---レキソタンR、セニランR
B長時間型(半減期が20〜100時間程度)
ジアゼパム---セルシンR、ホリゾンR
クロキサゾラム---セパゾンR
フルジアゼパム(エリスパンR)
クロルジアゼポキシド---コントールR、バランスR
オキサゾラム---セレナールR
メダゼパム---レスミットR
メキサゾラム---メレックスR
クロラゼプ酸二カリウム---メンドンR
C超長時間型(半減期が100時間以上)
ロフラゼブ酸エチル---メイラックスR
フルトプラゼパム---レスタスR
プラゼパム---セダプランR
(2)バルビツール酸
向精神薬の一群で、鎮静薬、静脈麻酔薬、抗てんかん薬などとして中枢神経系抑制作用を持つ薬剤です。
バルビツール酸系の作用は強力で、耐性や依存性が生じやすく大量に服用すると呼吸が麻痺して死に至る危険性が
あります。
@超短時間作用型(5?15分)
チオペンタール---ラボナールR
麻酔導入と短期維持、てんかん発作の緊急治療
チアミラール---イソゾールR
麻酔導入と短期維持、てんかん発作の緊急治療
A短時間作用型(3?8時間)
ペントバルビタール---ラボナR
不眠、術前の鎮静、てんかん発作の緊急治療
アモバルビタール---イソミタールR
不眠、術前の鎮静、てんかん発作の緊急治療
B長時間作用型(数日)
フェノバルビタール---フェノバールR、ケタラールR
てんかん発作の治療、てんかん重積の治療
(3)SSRI
詳細は、「抗うつ薬」へ
(4)天然ハーブ
一部の天然ハーブは不安解消効果があるとされている。
3:作用と副作用
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参考資料 |
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