お口大全 (お口の機能と病気と口腔ケア) All the Oral-functions and Care
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音声・言語障がいについて

       
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音声・言語障がい
1:音声・言語障害の概念  
(1)音声・言語障害とは
    音声・言語障害とは、音声を全く発することができないか、発声しても言語機能を喪失したものや、
    音声、言語のみを用いて意思を疎通することが困難なものをいいます。
    言語障害には、次の二つがあります。
    
 @構音障害
     発声・発語器官(唇、顎、舌、鼻からのど、気管・気管支から肺までつながる声を出すための器官)の
     どこかに異常が起こったために正しい発音ができなくなる障がいです。

 A失語症
     大脳にある言語領域に異常が起こったために言葉を使うことができなくなる障がいです。


(2)音声言語機能に関わる器官
 @言語中枢----
    言語に関与する脳の部位です。
    側頭葉のブローカ野やウェルニッケ野を含むいくつかの領域が特定の言語機能に関与することが示されています。

     Wikipedia 言語障害から引用


 A末梢器官
    呼吸器官----肺
    発声器官----声帯   
    構音器官----口腔領域(口唇、舌、頬、口蓋、口蓋垂、歯)


(3)構音に必要な口腔機能   
 @言葉の音の構成要素     
    呼吸器官---肺
    発声器官---声帯
    構音器官---口     

 A発声・構音のメカニズム
    音声言語を発するとき 肺からの呼気流がエネルギー源となります。   
    この呼気流が発声器官である喉頭を通過し、声帯振動して、音声(喉頭原音)が生じます。    
    上方の構音器官(声道)でさまざまな音の特徴を与えられ、言葉の音として口唇や鼻孔から外界へ出ていきます。

    


2:音声・言語障害の種類
(1)音声機能の障害
    音声や構音(発音)、話し方の障害です。     
    脳性麻痺や聴覚障害、口蓋裂、喉頭摘出、舌切除等によっても音声障害が生じます。     

 @構音障害
    主に口腔機能の障害に起因します。
    機能性、器質性、運動障害性、聴覚性の構音障害があります。
    
 A吃音症(どもり)
    話し方の流暢性とリズムの障害です。  
    話を始めるときに最初の一音が詰まったり同じ音を繰り返したりする言語障がいのひとつです。

 B痙攣性発声障害(局所性ジストニア)  
    声を出そうとする自分の意志とは無関係に、声帯が異常な動き方をしてしまう病気です。
    この病気は他の発声障害と異なり、音声治療を行っても症状が改善しないことが多いのが特徴です。
    局所性ジストニアと考えられていますが、真の病態は不明です。

 C速話症         
    発話の速度が過度に速くなり、音の省略やゆがみが著しくなって、明瞭に聞きとれなくなる状態です。

 D乱雑言語症
    
 E早口言語症(クラタリング:Cluttering) 
    単なる早口とは異なり、発話が不明瞭になったり意味不明になったりして通じなくなってしまう障害です。
    聴覚フィードバック系の機能不全であることが解っています。


(2)言語機能の障害   
    中枢性の問題から生じることばの理解や表現の障害です。     

 @失語症・高次脳機能障害     
    失語症は、高次脳機能障害の1種であり、脳の言語中枢が損傷されることで、聞く、話す、読む、書くの、言葉を操る
    能力に障害がある状態を言います。

 A言語発達障害など    
    何らかの原因により、同年齢の子どもに比べて言語発達の状態が標準より遅れている場合をいいます。
    こうした言語発達の遅れをきたす要因として、以下のことが考えられます。

  1:聴覚障害
     ことばの入力である聴覚に障害があると、ことばが歪んで聞こえたり、音が小さく聞こえるため言語発達が
     遅れます。

  2:人関係の問題
     代表的なものとして自閉症があります。
     コミュニケーション能力の発達の遅れに伴って相手の存在や言語刺激の関与が不十分で言語発達が遅れます。

  3:知的発達の問題
     知的障害に伴う言語発達の遅れで、ことばの理解や語彙の発達の遅れから言語発達も遅れます。

  4:言語学習に限定された特異的障害
     中枢神経系の機能障害が疑われています。
     特異的言語発達遅滞や言語性学習障害、小児失語などがあります。

  5:発声発語器官の機能障害
     脳性麻痺や口蓋裂などのように発声発語器官に
     麻痺や形態の異常がに伴って話しことばの障害を伴ってきます。

  6:不適切な言語環境
     虐待や、2カ国語などの養育環境の問題などで言語発達が遅れることもあります。


3:鼻咽腔閉鎖機能不全と構音機能
(1)鼻咽腔閉鎖機能と構音機能
 @鼻咽腔閉鎖機能   
    口腔と鼻腔の連絡路(鼻咽腔)を遮断する機能です。   
    口腔と鼻腔との呼気の流れの調整が行われます。  
    軟口蓋および咽頭括約筋の運動によって行われています。   

    


 A構音機能   
    口唇・舌、軟口蓋、下顎歯、硬口蓋など構音運動に関与する構音器官によって成り立ちます。    


(2)鼻咽腔閉鎖機能不全と構音機能障害
 @鼻咽腔閉鎖機能不全   
    嚥下時、構音時、ブローイング(吹く動作)時などの機能時に口腔と鼻腔との遮断が得られない状態です。
    そのため、機能時に呼気が鼻腔に流出します。

 A構音障害   
    構音器官の形態や運動の異常により正しい音の産生ができない状態を構音障害といいます。  

 B音声言語障害   
    鼻咽腔閉鎖機能不全と構音障害の二つによって生じる場合が多々あります。


4:構音障害  
 お口、あるいは歯科的に問題になるのは構音障害です。

 治療との詳細は、「構音障害」へ



参考資料 

 『図解 やさしくわかる言語聴覚障害


 『絵でわかる言語障害 第2版: 言葉のメカニズムから対応まで


 『発達障害とことばの相談~子どもの育ちを支える言語聴覚士のアプローチ




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