お口大全 (お口の機能と病気と口腔ケア) |
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摂食嚥下障害の精密検査について
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精密検査 (Detailed Examination) |
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はじめに:精密検査について
まず最初に問診による既往歴や臨床診査を行います。
それで明らかな摂食嚥下障害あるいはその疑いがある場合には、精密検査を進めます。
1:VF(swallowing videofluorography:VF)
(1)VFとは
バリウムなどの造影剤を含んだ模擬食品をX線透視下に嚥下させ、 透視像をビデオやDVDに記録し、
嚥下運動や適切な食形態を評価、診断する検査です。
(2)VFの目的
飲み込んだ食べ物が気管に入る「誤嚥」はないか、食道からの逆流がないかの確認
安全に食べられる食事の検討(一般食・やわらかいおかず・ゼリー・トロミなど)
食事環境の検討(姿勢調整・一口量・食事場所など)
飲み込みのどの過程が障害されているのか確認
どのようなリハビリが飲み込みの効果のあるリハビリか検討する など

(3)観察のポイント
@口腔期
造影剤の口腔内保持
造影剤の口腔から咽頭への送り込み
A咽頭期
軟口蓋運動,鼻腔内逆流の有無
喉頭蓋谷や梨状陥凹の造影剤残留
誤嚥の有無と程度,および造影剤の喀出の可否
喉頭挙上のタイミングと挙上度
喉頭閉鎖の状態
食道入口部の開大
舌根と咽頭後壁の接触の状況
B食道期
造影剤の通過状態および蠕動運動
造影剤の逆流の有無
食道およびその周囲の器質的疾患の有無

(2)VE (swallowing video-endoscopy)
@VEとは
内視鏡(ファイバースコープまたは電子内視鏡)を用いて実施する嚥下機能検査.
鼻から直径3.5mm程度の内視鏡を挿入し,普段のl1因頭の様子や食後の誤嚥の有無などを観察する.

A観察のポイント
咽頭腔内に痰等による汚染や唾液の貯留はないか
食塊形成が行われているか
嚥下反射惹起のタイミング
ホワイトアウトの確認
食物の咽頭残留の有無
食物の咽頭進入の有無
進入があった場合、咳反射はあるか
進入あった場合、咳払いで解消するか、などです。

(補足):VFとVEの違い
VE検査
咽喉頭粘膜の状態や声門閉鎖機能、分泌物の貯留・気道への流入の有無を確認できる.
被爆がない.
模擬食品ではなく実際の食物を飲み込む場面を観察することができる.
咽喉頭部しか観察できない、
嚥下の瞬間に咽頭収縮により一時的に視野が白く、観察不能な状態(ホワイトアウト)となり誤嚥を見逃す
可能性がある.
検査に不快感がある等の短所もあります。
VEとVFはそれぞれ観察点が異なるため、併用して検査することで多くの情報を得ることができます。
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参考資料 |
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