歯牙腫 (Odontoma) |
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1:歯牙腫とは
歯を形成する硬組織、すなわちエナメル質、象牙質、セメント質の一部または全部のものが増殖してなる
混合性の歯原性腫瘍です。
2:分類複雑性と集合性
(1)複雑型歯牙腫
歯の形状をなさず、エナメル質、象牙質、セメント質様硬組織が不規則に混在する塊状の形をしています。
下顎臼歯部、上顎前歯部に好発し、埋伏歯を伴うことが多い。
境界明瞭な不規則な塊状の不透過像を示します。
(2)集合型歯牙腫
多数の矮小な歯牙様構造物の集合塊が被膜で覆われています。
上顎前歯部に多い。

3: 成因
慢性の外傷、機械的刺激はその一因になるといわれています。
しかし、原因は明確ではなく通常不明とされています。
4:疫学
(1)好発年齢
10−20代に多いとされていますが、若年期に発症したものが後年に見つかることもあります。
(2)好発部位
複雑性歯牙腫----下顎大臼歯部に多いとされています。
集合性歯牙腫----上顎前歯部、次いで下顎前歯・小臼歯部に多いとされています。
5:臨床症状
顎骨内に埋伏し、無痛性にきわめて緩慢に増大します。
発育するにしたがって周辺の歯牙を圧迫し、歯根の吸収、歯列不正を起こすことがあります。
比較的大きなものは、その部分の顎骨表面が凹凸不整に膨隆するが、鶏卵大以上になることはまれです。
歯列中、腫瘍発生に関与した歯牙は欠如するが、過剰歯の場合はそのかぎりではありません。
まれに顎骨内の神経枝を圧迫して神経痛様疼痛あるいは神経麻痺の原因となります。
6:X線所見
(1)複雑性性歯牙腫
その大きさと形に一致した均質な不透過像を示し、周囲骨とは細い線状の透過像で境されています。
(2)集合性歯牙腫
個々の小歯牙様石灰化物に一致して小塊状の不透過像の集合した像が見られ、この集合物をさらに
囲んで線状の透過像が見られます。

(社)日本口腔外科学会HPより引用
7:治療法
治療は摘出となります。
腫瘍は骨との癒着がなく容易に摘出されます。
歯牙腫に合併することが多い石灰化歯原性嚢胞は、再発することもあるため、治療に先立ち生検を行なう
必要も有ります。
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参考資料 |
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