外骨症 (exostosis) |
1:外骨症とは
反応性あるいは発育異常による骨の限局性過剰形成の事をいいます。
骨腫と組織学的に類似する病変であるが、腫瘍性の病気ではありません。

2:臨床的な特徴
正中口蓋部(口蓋隆起)や、下顎骨小臼歯部舌側面(下顎隆起)に好発します。
ときに歯槽骨頬側面に多発性にみられます。
発育は緩慢で、一般に無症状です。
発生頻度に人種的差異がみられますが、男性で40%、女性では52%の人に認められるという報告もあります。
3:治療
通常は処置の必要はありません。
しかし、義歯作製時や発音などに障害となるような場合は外科的処置を行います。
補足:内骨症
骨内部に生じた場合は、内骨症 enostosisとよばれ、X線検査で偶然に発見されることが多い
症例
(1)口蓋隆起 torus palatinus


(2)下顎隆起 torus mandibularis

(3)上顎結節

手術症例
(1)下顎隆起
過剰な下顎隆起は義歯の製作、着脱などに大きな支障となります。
その様な場合、下顎隆起形成術が必要となります。
局所麻酔下に20分ほどで終わり、術後の痛みも余りありません。

(2)後臼歯隆起部の外骨症
とがった骨の鋭縁に入れ歯が当たって長期間痛みが続いていました。
鋭縁分の骨を削って平にしたら、痛みは完全に無くなりました。
局所麻酔で20分ほどの処置でした。
(2)過剰な上顎結節
上顎結節の一部が尖っていて、入れ歯が出し入れの時に痛み、入れ歯も安定しませんでした。
骨の鋭縁分を削って義歯も安定し、痛みも無くなりました。

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