プランマービ・ンソン症候群 (Plummer-Vinson's syndrome) |
|
1:プランマー・ビンソン症候群とは
鉄欠乏性貧血、舌炎、嚥下障害を3徴とする症候群です。
2:原因
鉄欠乏が原因ともされていますが、原因と言えるかどうかは確かではないそうです。
3:疫学
鉄欠乏性貧血の10 - 20%にみられます。
30-50歳代の女性に多いとされています。
比較的 まれな疾患で、1983年までの本邦報告例は69例です。
4:症状
(1)口腔内症状
鉄欠乏性貧血の部分症状として舌乳頭が萎縮性変化し、舌表面が赤く平滑になります。
赤い平らな舌を呈し灼熱感と疼痛を伴い咀嚼・嚥下障害も伴います。

(2)全身症状
@貧血
小球性低色素性貧血、鉄欠乏性貧血があります。
A食道の症状
食道粘膜萎縮による嚥下障害が生じます。
食道ウェッブを形成する事があります。
粘膜の萎縮性変化から、癌化する場合があります。
*食道ウェブ
食道の上部に形成された薄い膜です。
嚥下困難では、食べものや飲みものがのど(咽頭)から胃へと正常に移動しません。
食道の途中で食べものや飲みものが動かなくなったように感じます。

Bその他の症状
スプーンネイル(匙状爪)などを伴います。

5:治療
嚥下困難に対 して鉄剤とビタ ミン剤の長期投与がおこなわれます。
食道webに対 しては、ブジー法 と食道鏡での切開法、手術により切除する方法などがあります。
|
参考資料 |
|
「Plummer‐Vinson症候群の1治験例」 藤井道孝他 日消外会誌 16(3):635〜 638,1983年
|
|