口腔機能低下症 (Oral Hypofunction) |
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1:口腔機能低下症とオーラルフレイル
「オーラルフレイル」と「口腔機能低下症」は混同されやすい言葉です。
「健康」から 「口腔機能障害」までの広い範囲の低下の途中段階 に「オーラルフレイル」と「口腔機能低下症」が存在するとされており、オーラルフレイルはフレイル概念図の第2段階、口腔機能低下症は第3段階に位置するとされています。
第1段階 社会性・心のフレイル
第2段階 栄養面ののフレイル (オーラルフレイル)
第3段階 身体面のフレイル (口腔機能低下症)
第4段階 重度のフレイル期 (口腔機能障害---摂食・嚥下障害、構音障害など)
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2:口腔機能低下症の検査
(1)口腔機能低下症の検査
以下の7項目を行い、その内の3つ以上の項目が基準値以下であれば「口腔機能低下症」と診断します。
検査時間は全部で30分程度です。
検査の詳細は、「オーラルフレイル」へ。
1:口腔衛生状態不良の検査
2:口腔乾燥の検査
3:咬合力低下の検査
4:舌口唇運動機能低下の検査
5:低舌圧の検査
6:咀嚼機能低下の検査
7:嚥下機能低下の検査
(2)オーラルフレイルの検査との比較
口腔機能低下症の検査では、7項目の内の3つ以上の項目が基準値以下であれば「口腔機能低下症」と診断します。
オーラルフレイルはさらにその前の段階ですから、口腔機能低下症の検査基準に達していなくても、その疑いがあると言えます。
そのため、 口腔機能を構成する複数の機能の検査・評価を行い、一つでも低下が認められた場合には口腔機能管理によって対応 します。
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参考資料 |
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『かかりつけ歯科医のための口腔機能低下症入門: 2022年保険改定対応』
『患者さんのためのオーラルフレイルと口腔機能低下症の本』
『お口だって老化するんです―歯科の新しい病気「口腔機能低下症」かも』
「高齢期における口腔機能低下 ─学会見解論文 2016 年度版─」 老年歯学会雑誌 第31巻 第2号 P81-P99 2016
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