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赤血球増多症について


     
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 赤血球増多症(Polycythemia)
  1:赤血球増多症とは 
  赤血球を主体として絶対的あるいは相対的に血球量が増加する状態です。
  血球の大部分は赤血球であるので、多血症は赤血球増加症とほぼ同じ概念となります。
  具体的には、赤血球数600万/µlヘモグロビン濃度18g/dlヘマトクリット値54%以上に増加した状態を
  赤血球増加症または、多血症と言います。

       赤い部分がヘマトクリット値で ほとんどを赤血球が占めます。


2:分類
 (1)絶対的多血症

   赤血球の産生が異常に亢進しているものを絶対的と呼びます。

   ①真性多血症
     まれな悪性腫瘍の一種であり、骨髄の異常な増殖により赤血球のほか白血球、血小板とも増加するものです。
     中年以上の男性に好発し、ユダヤ人に発症頻度の多いことが知られています。
     血小板は増加するものの機能は低下しているため、むしろ出血傾向を示します。
     急性骨髄性白血病への進行があり得ます。

   ②二次性多血症(続発性多血症)
     血中の酸素が慢性的に欠乏しているなどの影響で赤血球の産生が促されて過剰に産生されているものです。
     心肺疾患(弁膜症、COPDなど)や睡眠時無呼吸症候群、高地での生活などが原因となるほか、
     エリスロポイエチン(赤血球の産生を制御するホルモン)産生腫瘍も原因となることがあります。


 (2)相対的多血症
    赤血球の産生には異常のないものを相対的と呼びます。

   ①脱水

     下痢、嘔吐、発汗、熱傷などで体液中の水分が失われ脱水症となった場合、相対的な赤血球濃度が一時的に
     上昇したものです。
     この場合、多血症は輸液の必要量を推測するための目安となります。

   ②ストレス多血症
     肥満があるヘビースモーカーの男性によくみられます。
     はっきりとした原因のない多血症で、通常は短期間で改善します。  


3:原因
 (1)酸素欠乏によって引き起こされたもの
     喫煙、重度の肺疾患、心疾患、一酸化炭素中毒、高地 など

 (2)その他の原因
     テストステロンなどの男性ホルモンによる治療
     腫瘍、嚢胞、腎臓へ向かう動脈の狭窄など、腎臓の異常
     肝硬変
     肝臓、脳、副腎の腫瘍
     エリスロポエチンに影響を及ぼす遺伝性疾患 など


4:症状
  皮膚や粘膜は充血し、神経症状、高血圧の見られることがある。
  赤血球数の増加を反映して、軽度の酸素欠乏でもチアノーゼがみられることがあります。
  
  筋力低下、疲労感、頭痛、ふらつき、息切れ など


5:検査・診断
   赤血球数600万/μl以上、ヘモグロビン濃度18.0g/dl以上、ヘマトクリット54%以上が相当します。


6:治療
  酸素欠乏を原因とする二次性赤血球増多症は酸素によって治療できます。

  喫煙者であれば禁煙が勧められ、禁煙を支援する治療が行われます。

  赤血球数を減らすために瀉血(血液を一定量抜き取る処置)が行われることもあります。
  二次性赤血球増多症で瀉血が必要になることはまれです。

  腫瘍関連の赤血球増多症では、腫瘍の切除により完全に治癒することもあります。
  特定のホルモンの病気を治療したり、二次性赤血球増多症を引き起こす可能性がある薬の使用を中止したりする
  ことでも、治癒することがあります。

  相対的赤血球増多症は、水分を経口摂取か点滴で補った上で、血漿の量を少なくしている原因を解消することに
  よって治療します。





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