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ライノウイルス(HRV: Human Rhino Virus)感染症ついて

     

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ライノウイルス感染症 (infection with Human Rhino Virus)
1:ライノウイルス感染症とは
 (1)ライノウイルス    
     ピコルナウイルス科エンテロウイルス属に属するライノウイルス系(A?C型)のウイルスの総称です。
     一本鎖RNA(+)ウイルスで、102の血清型が存在します。
     かぜの原因ウイルスで、風邪患者の50%〜75%で検出されます。 
     別名、鼻風邪ウイルス( common cold virus )とも言われています  
     ライノウイルス( rhinovirus )は、ライノ( rhino )とウイルス( virus )がくっついた言葉です。
     ライノ( rhino )は、ギリシア語で鼻の意味のrhinに由来します。

      


 (2)ライノウイルス感染症の特徴
     感染力は強いが、比較的軽症です。
     ライノウイルスは、鼻、のどといった上気道の炎症をおこします。
     ライノウイルスは33度でしか増殖しないとされ、そのため通常ライノウイルスによる炎症は上気道に限局されます。


2:感染様式
 (1)感染経路
     飛沫感染、接触感染によって拡大します。
     患者の咳によって生じた飛沫を吸い込んで感染します。
     患者の鼻水中のウイルスが付着したものに触れた手で自分の鼻の中、口の中、眼に触れて感染します。


 (2)潜伏期間
     1〜3日間くらいです。


3:疫学
 (1)流行時期
     年中発生しますが、ピークは春と秋にみられます。
     RSウイルスやインフルエンザウイルスが流行する冬は、比較的少なめです。

 (2)発症しやすい年齢
     乳幼児から子供に多く、年齢が高くなるにつれて、感染しにくくなります。
     年齢が高くなるにつれて、感染しても症状が出にくくなります。


4:症状
 (1)主症状
     頭痛・のどの痛み、鼻詰まり、くしゃみが起こります。
     水のような鼻水が出始めますが、次第にそれは濃いねばっこい黄色あるいは緑色のものへと変化します。
     やがて量も少なくなります。
     通常、発熱はありませんが、10%位の人に微熱が出ます。

 (2)経過
     軽い咳が少し遅れて出始め2週間近く続くこともあります。
     通常、1-2週間以内に軽快します。

 (3)合併症
     稀に、気管支喘息が、悪化することがあります。
     二次的に細菌感染を起こしやすくなり、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などになることがあります。


5:診断
     臨床症状から大凡の判断を行います。
     症状が長引いたり重症の場合には、ウイルス検査が必要になります。


6:治療
 (1)対症療法
     ライノウイルスを特異的にやっつけるような治療薬(特効薬)はありません。
     治療としては、症状を和らげる薬を症状に応じて使います。
     

 (2)合併症の治療
     カゼでは、一時的に気道の粘膜がいたんだ状態になります。
     そのため、二次的に病原体(特に細菌)による感染を起こしやすくなり、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などになることが
     あります。
     そのような場合には、抗生物質が投与されることがあります。


7:予防
 (1)衛生管理
     ライノウイルスを完全に予防するようなワクチンは有りません。
     よって衛生管理を行います。
     
     手洗い・うがいを行う。
     マスクの着用を行う。
     人混みを避ける。


 (2)罹患してしまった場合の感染拡大防止
     家族の誰かがライノウイルスに感染してしまったら、感染が広がらないように注意します。

     室内を換気する
     手洗いやうがいを徹底する。
     室内でもマスクを着用する
     ライノウイルス発症者と寝室を分ける。
     ライノウイルス発症者が入った後のお風呂に入らない。
     大人が感染してしまった場合、感染した人もマスクを着用する。
     子供と同じ食器の使用を避ける。


ライノウイルス感染症と口腔ケア



参考資料

  『病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症』  


 『生命科学のためのウイルス学―感染と宿主応答のしくみ,医療への応用


 『医科ウイルス学


 『新しいウイルス入門 (ブルーバックス)


 『ウイルス・細菌の図鑑 ―感染症がよくわかる重要微生物ガイド― (知りたい! サイエンス イラストレーテッド)』





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