炎症とは? |
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「炎症」とは、
「生体組織になんらかの器質的変化をもたらす侵襲が加わった場合に、生体が自己のホメオスターシスを維持するための防衛的反応である」と定義されています。
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炎症の総論 |
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炎症の原因 物理的作用
機械的刺激(外力)、温・冷熱的作用、電気的刺激、放射線など。
化学的作用
有機物質・無機物質、毒素、生体内代謝産物。
生物学的作用
細菌、ウイルスなど微生物の感染。
炎症の5大徴候 発赤:血管拡張による。 熱感:血管拡張による。 疼痛:内因性発痛物質や、pHの変化による。 腫脹:血管透過性の亢進による。 機能障害:上記の各種変化および肉芽形成による。
炎症の経過 この炎症反応を病理組織学的にみると、循環障害による血漿、血球成分の微小循環系からの 滲出および組織の増殖であるといえます。
第1期 局所に炎症の原因が加わると、化学的伝達物質が活性化し、血管の拡張、血管透過性の亢進が起こります。
第2期
第1期の血管障害に引き続いて、白血球の遊走・粘着・浸潤が始まり組織反応が起こります。
第3期 繊維芽細胞の増殖、血管新生をはじめとする結合組織の増殖がおこり、肉芽の形成期となります。 また、繊維化から瘢痕化へとも進みます。
炎症の分類
形態学的分類
変質性炎、浸出性炎、増殖性炎
病原体による分類
非特異性炎(単純性炎)、特異性炎
経過による分類
急性炎、亜急性炎、慢性炎
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口腔領域の炎症 |
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口腔領域は、外界と内界の境界に当たり、外部からの侵襲にもっとも晒されやすい場所であると言えます。 しかもここには歯牙が存在し、その状態によってはそこは細菌生育の温床になる可能性もあります。 そのためここに発生する炎症は、きわめて多様な様相を呈してきます。
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症例−1:親知らずの炎症に起因した頬部膿瘍 (68歳男性) |

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症例−2:口底炎から顎下部に進展した症例 (72歳女性) |

気道閉塞も懸念された重症例。
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症例−3:虫歯ではなく、小臼歯の中心結節破折による右頬部の炎症 (10歳女性) |

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参考資料 |
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