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口腔内の前癌病変について

     
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前癌病変(Precancerous lesions)とは 
 
 WHO
の前癌病変に関する調査委員会(1972)によれば、「形態学的に正常なものに比べ癌が発生しやすい状態に変化した組織」、とされています。
 WHO(Histological Typing of Cancer and Precancer of the Oral Mucosa 2nd Ed,1997)では,以下の臨床的分類と組織学的分類に分けられています。


 臨床的分類
  @白板症(Leukoplakia)
    他のいかなる疾患としても特徴づけられない著明な白色の口腔粘膜病変。
    均一型(Homogeneous)と非均一型(Non-homogenerous)に分けられる。
       均一型   :平面型(flat),波状型(corrugated),ヒダ型(wrinkled),軽石様型(pumice-like)
       非均一型  :疣型(verrucous),小結節型(nodular),潰瘍型(ulcerated),紅白板症(erythroleukoplakia)

  A紅板症(Erythroplakia)
    臨床的にも病理組織学的にも他のいかなる疾患としても特徴づけられない鮮紅色の斑状病変。
    表面は平滑であったり顆粒状や小結節状を示し,正常粘膜との境界は明瞭である場合が多い。

 
 組織学的分類

  @扁平上皮性異形成(Squamous epithelial dysplasia, dysplasia
    上皮内癌ほどではない細胞異型,および正常な上皮の成熟と層状配列の消失を特徴とする重層扁平上皮の前癌病変。

  A扁平上皮内癌(Squamous cell carcinoma in-situ, CIS
    上皮の全層またはほぼ全層にわたって癌の細胞的特徴をもつが、間質への浸潤を伴わない前浸潤期の癌。
    上皮内にとどまり基底膜を越える浸潤が認められない状態。
    WHO分類では,この組織像のみをTis 癌としている。


 前癌状態(Precancerous Condition)
  前癌病変と区別されている。
  前癌状態は、「明らかに癌発生の危険性が増加した一般的な状態」と定義される。
  鉄欠乏性貧血、扁平苔癬、口腔粘膜下線維症、梅毒性舌炎があげられている。


 参照:  口腔内の悪性腫瘍  TNM分類とステージ分類  口腔癌の進展度による呼称

白板症leukoplakia

 白板症の診断基準
    WHO定義によると、「臨床的ならびに組織学的に他の疾患に分類されない白斑または白板」とされている。

    詳細は、「白板症」

       

紅板症erythroplakia)

 WHOの診断基準
    「臨床的にも病理組織学的にも他の疾患に分類されない紅斑」とされている。
    典型的な紅板症は鮮紅色の紅斑で、組織学的には種々の程度の上皮性異形成から
    上皮内癌までの所見を示す病変である。

    詳細は、「紅板症」

    


参考資料 

日本癌治療学会 「がん診療ガイドライン  口腔がん」


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