お口大全 (お口の機能と病気と口腔ケア) All the Oral-functions and Care
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味覚について


     
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 本来の味覚の意義は、体に必要な栄養素の摂取調整の役割に関与していると考えられています。
 それによって、必要な栄養素含む食物に対して食欲が発生する仕組みになっています。

T:味覚の受容器 
 

 (1)味覚の感受性部位
      甘味ーーー舌先部で敏感
      酸味ーーー舌縁部で敏感 (軟口蓋:酸味、苦味を感受する)
      苦味ーーー舌根部で敏感
      塩味ーーー舌先、舌縁部で敏感           

       
 (2)味覚の受容器(味蕾)
      成人の場合、味蕾の約85%は舌に存在。
      その他は、軟口蓋、口蓋垂、口蓋舌弓、喉頭蓋、咽頭壁に存在。
      舌乳頭のうち、糸状乳頭を除いた、茸状乳頭、葉状乳頭、有郭乳頭に味蕾が存在する。
 
 
 

U:味覚の生理 
 
 
 (1)4基本味
      甘味(sweet taste )、酸味(acid taste)、 苦味(bitter taste)、 塩味(salty taste)
      という  4基本味の混合によって味が形成される。

   @甘味(sweet taste)
       純粋な甘味はショ糖の味であるとされている。
   A酸味(acid taste)
          酸味の要素は水素イオン(H+)であるが、陰イオンの違 いにより酸味の強度や質に違いが生じる。
    B苦味(bitter taste)
        苦味を呈する物質の構造は、
       無機イオン(Mg、Seなど)、 アミノ酸(バリン、ロイシン)、アルカロイド、  配糖体などで多種多様である。
    C塩味(salty taste)
          純粋な塩味はNaClである。

 (2)風 味(Flavor)
           一般に、飲食物の味は、味覚だけではなくて、味覚、嗅覚、触・圧覚、 温度感覚や渋味、辛味等の感覚も
      加わった複合感覚(風味)と考えられています。


補足:新型コロナウイルス感染症と味覚障害
 
金沢医科大学の三輪高喜氏をはじめとする研究チームの報告

新型コロナウイルス感染症に罹患した後、味覚障害が起きる場合があります。
金沢医科大学の三輪高喜氏をはじめとする研究チームは、味覚障害を訴えた人の約7割は味覚が正常であったことを発表しました。
また、味覚が正常であるにもかかわらず飲食物の味を正しく感じ取れないことから、嗅覚の異常による風味障害の可能性があるとの意見を示しています。

嗅覚障害の原因
新型コロナウイルスは、細胞の表面にあるアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体と結合して細胞内に入り込んで増殖します。
このACE2受容体は鼻の上皮細胞で多く発現していることが分かってきました。
ACE2受容体の発現は小児では少なく、年齢が上がるにしたがって多くなることが分かってきています。
このことが新型コロナウイルス感染症が小児に少ない理由の一つなのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚障害では、従来の感冒後嗅覚障害(風邪を引いた後ににおいがしない状態が続いている)とは一部異なる点もあります。

補足
デルタ型変異ウイルスでは、従来のウイルスと比較して嗅覚・味覚障害をきたすことが多くありません。





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