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1:ガマ腫とは
口腔底の舌下腺、顎下腺の排出管に閉鎖がおきたり、通過障害が生じたとき、唾液の貯留によってできる嚢胞です。
ガマ腫は、粘液嚢胞のような嚢胞壁を持たず、粘膜内に粘液が溜まってしまう病気です。
腺管腔が異常に拡張した状態もガマ腫といいます。
「腫」という語尾が有りますが、腫瘍では無く、嚢胞です。
大きくなるとガマ(ヒキガエル)の喉頭嚢に似てくるところから、この名称がつけられたそうです。

2:分類
舌下型と顎下型の2つの種類があります。
一般に、片側性に口腔底が腫れる舌下型が多く、顎下型、舌下顎下型はまれです。
3:症状
舌下型では、口腔底粘膜が押し上げられ膨隆が目だちます。
大きくなると粘膜を通して内容物がみえるようになります。
注射器によって、淡黄褐色のねばりけのある濃い内容物を吸引できます。
痛みはないが、大きくなると発音、嚥下(えんげ)障害がおこるようになる。
典型的な症状
通常痛みは有りません。
舌と下あごの間の粘膜が風船のように腫れます。
特徴的な症状
腫れてきた袋を破ると、中から粘性の高い液体が出てくる事があります。
破ってもしばらくすると再発することが多い。
4:治療
全摘出術
舌下腺を含めて全摘出が原則です。
開窓(副腔形成)
しかし嚢胞壁が薄いため、粘液が貯留しないように前壁だけを切除して口腔内に開放する副腔形成法も行われます。
その他1:OK432(ピシバニーR)の腫瘍内注入
OK-432はA群溶血性連鎖球菌の一種をペニシリンで処理して、増殖できないようにした製剤です。
もともとは癌の免疫療法剤として数多く用いられ、安全性は既に確立されております。
近年、嚢胞状リンパ管腫に対するOK-432注入療法が、手術よりも安全かつ一定の効果があると認められ、
現在は保険も適用されています。
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